血液を運ぶ動脈に汚れがくっついて流れが悪くなると心臓は圧力を高めて末端の血管まで血液を流そうとします。その結果、高血圧の症状が出てきます。高血圧をほおっておくと脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化による様々な病気の原因となります。
（動脈硬化とは、高血圧が長く続くことで、血管に圧力がかかり続け、そのために、血管に弾力がなくなってしまった状態です。）
また高血圧は糖尿病などの合併症を起こしやすいといわれています。それは高血圧と糖尿病の危険因子（肥満・運動不足・喫煙など）が同じだからです。
ただ、一度測った血圧が高いというだけでは高血圧とは言い切れません。高血圧とは何度も繰り返して測っても血圧が正常より高い場合（最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上をいい）、高血圧症と診断し、治療が必要となります。
高血圧の症状には頭痛、めまい、耳鳴、肩こり、動悸、息切れなどの症状がありますが、高血圧特有の症状だとはっきり分かる自覚症状はなく、症状だけで高血圧を早期発見する事は難しいことです。しかし、高血圧を放っておくと重大な病気を引き起こす恐れがあるため、定期的に病院での検査（健康診断）における血圧測定や自宅などでの定期的な血圧の測定で早期発見をしましょう。
高血圧の原因としては遺伝や生活習慣と考えられています。特に遺伝的に高血圧を持っている方は日頃から生活習慣に注意して予防しましょう。また、遺伝的性質を持っていない方でも生活習慣が悪いと高血圧になる恐れがあるので注意しましょう。

糖尿病にはいくつかの種類があります。

体の中のインスリンを作る細胞が破壊され、インスリンの量が絶対的に足りなくなって起こるタイプをいいます。子供のうちに始まることが多い型です。

糖尿病患者の95％以上がこのタイプです。
インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、インスリンの働きが悪くなることで肝臓や筋肉などの細胞がブドウ糖をうまく取り入れられなくなって起こるものがあります。食事や運動などのいわゆる生活習慣が関係している場合が多い型です。

遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫の異常などの他の病気が原因となって、糖尿病が引き起こされるタイプをいいます。薬剤が原因となる場合もあります。

インスリンとは、体内の血糖を下げるホルモンで主に食後に多く分泌され、血糖値が上がり過ぎないようコントロールする役目があります。また血液中のブドウ糖を体内の細胞へ運び活動エネルギーに変える作用を持っています。つまり、インスリンが上手く作用しないと、ブドウ糖が体内に取り込まれないため、内臓や筋肉がエネルギー不足を起こしてしまうのです。
糖尿病は、放っておくと様々な合併症を引き起こします。
（主なもの…糖尿病性神経障害（手足のしびれなど）、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、脳梗塞ほか）
早期であれば生活習慣の改善だけでも十分治療効果は上がります。
健康診断などで異常値がでた方はできるだけ早めにご相談ください。

高脂血症は、血液中の脂質（コレステロールや中性脂肪）が多すぎる病気の事をいいます。
また高脂血症は、高脂血症だとはっきり分かる自覚症状がないため、症状だけで早期発見する事は難しいのです。しかし、高脂血症を放っておくと、増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まってしまい、知らないうちに体の血管が傷ついて、動脈硬化を引き起こす恐れがあります。定期的に検査（健康診断等）を受ける必要があります。
高脂血症→動脈硬化→心筋梗塞、脳梗塞

高脂血症の原因としては、食生活食事が大きく影響していると考えられます。例えば動物性脂肪の多い高カロリー食は、血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を増やし、過酸化脂質を増加させます。
また、高脂血症は動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコールなど総合的に判断しながら生活習慣を見直し、予防することが大切です。